比較提案で「選ばれる」営業のやり方|3案の作り方と注意点

比較提案で「選ばれる」営業のやり方|3案の作り方と注意点

営業の比較提案とは、1つの案を押し付けるのではなく複数の案を並べ、相手自身に「どれにするか」を選んでもらう提案手法です。「やるかやらないか」ではなく「どれにするか」へ論点を移せるため、成約率が高まります。この記事では、比較提案で選ばれるための3案の作り方、推奨案を中央に置くコツ、価格だけで比べさせない注意点を、例文と早見表で具体的に解説します。

結論:営業の比較提案は「3案で選ばせる」のが基本

営業の比較提案で成果を出す型は、案を3つに絞ることです。1案だと「これでいいか悪いか」の二択になり断られやすく、5案以上だと相手が選びきれず判断を先送りします。3案なら比べやすく、相手は「断る」より「選ぶ」モードに入ります。

3案は、基本案・推奨案・上位案の3段構成にします。狙いは真ん中の推奨案に決めてもらうこと。人は3つの選択肢があると、両端を避けて中央を選びやすい傾向があります。最初から推奨案を一番伝えたい内容に設計しておくのが、比較提案の核心です。

比較提案で選ばれる3案の作り方

1. 基本案:価格を抑えた「最低限」の案を置く

1つ目は、必要最低限の内容に絞った基本案です。価格は3案で最も安く設定します。これは選んでもらうためというより、推奨案の価値を引き立てる「比較の基準」として機能します。

基本案だけを見ると安く感じますが、「これだと◯◯が含まれません」と差を示すことで、相手は自分に本当に必要な範囲を考え始めます。安さの裏にある物足りなさに気づいてもらうのが役割です。

2. 推奨案:一番伝えたい「ちょうどいい」案を中央に置く

2つ目の推奨案が主役です。相手の課題をヒアリングした内容に最もよく合う、過不足のない案を中央に配置します。「多くの方がこちらを選ばれます」「御社の状況だとこれが一番無駄がありません」と、推奨案であることを明確に伝えます。

推奨案は、基本案の物足りなさを補い、上位案の過剰さを避けた「ちょうどいい」位置づけにします。この案が一番おすすめだと言い切ることで、相手は安心して中央を選べます。

3. 上位案:価値の上限を示す「フル」の案を置く

3つ目は、機能や範囲を最大にした上位案です。価格は最も高く設定します。実際に選ばれることは少なくても、「ここまでできる」という上限を示すことで、推奨案が割安に見える効果があります。

上位案があることで、推奨案は「一番高い案」ではなく「真ん中の現実的な案」に見えます。価格の基準点を上に引き上げる役割と理解しておきましょう。

4. 3案の違いを一目で見せる

3案は口頭だけでなく、必ず表で並べて見せます。含まれる内容と価格を横並びにすると、相手は差分を直感的に理解できます。資料の作り込み方は提案書の作り方もあわせて押さえておきましょう。

比較提案の3案 早見表

3案それぞれの役割と設計のポイントを一覧にまとめました。推奨案に決めてもらう流れを意識して作ります。

位置づけ 価格 役割
基本案 最低限 安い 比較の基準。物足りなさを感じさせる
推奨案 ちょうどいい 中間 本命。ここに決めてもらう
上位案 フル 高い 上限を示し推奨案を割安に見せる

比較提案で失敗しないための注意点

比較提案は型どおりに並べるだけでは機能しません。次のポイントを押さえましょう。

  • 価格だけで比べさせない:金額の差だけを並べると一番安い案に流れる。各案で「得られる成果」の違いを必ず添える。
  • 推奨案をあいまいにしない:どれもおすすめですと言うと相手は迷う。「御社にはこれ」と一つに絞って勧める。
  • 案ごとの差を大きくしすぎない:内容が飛びすぎると比較にならない。隣り合う案は連続した違いにする。
  • ヒアリング前に出さない:相手の課題を聞く前に3案を出すと的外れになる。推奨案は相手に合わせて中身を変える。

推奨案を相手に合わせて設計するには、課題を引き出す提案力が前提になります。土台となる考え方は営業の提案力を高める方法で確認しておきましょう。

よくある質問

Q. 案は必ず3つにしないといけませんか

3案が最もバランスが良いですが、商材や相手によって2案でも機能します。重要なのは「やるか・やらないか」を「どれにするか」へ論点を変えることです。ただし4案以上は選びにくくなり判断を先送りされやすいので、増やしすぎないのが無難です。

Q. 安い基本案を選ばれてしまったらどうしますか

基本案を選ばれること自体は失敗ではありません。受注ゼロより前進です。そのうえで「この内容だと◯◯が後から必要になりがちです」と将来の不足を伝え、推奨案との差を再確認します。価格への抵抗が強い場合は「高い」と言われたときの対応も参考にしてください。

まとめ:比較提案は「選ばせて」決めてもらう技術

営業の比較提案とは、基本案・推奨案・上位案の3案を並べ、真ん中の推奨案に決めてもらう手法です。相手を「断る」から「選ぶ」モードへ移せるのが最大の強み。鍵は、推奨案を相手の課題に合わせて設計し、価格だけでなく成果の違いを見せることです。

まずは次の提案で、本命の案の前後に「安い案」と「高い案」を一つずつ添えてみてください。同じ本命案でも、選ばれやすさが大きく変わるのを実感できるはずです。

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